国土地理院の地図・空中写真閲覧サービスでは過去に撮影された空中写真を閲覧したり、ダウンロードすることができます。国土地理院コンテンツ規約に準拠すれば利用可能なのでとても使い勝手のいい資料です。
[国土地理院]
古い空中写真の使い道として、現在と過去の比較があります。しかし、空中写真は毎回同じ場所が撮影されているわけではないので見たい場所が写真のどの辺に写っているかがその時ごとに違います。
今回は例として長野電鉄の須坂駅周辺を見てみたいと思います。


[本エントリ内の画像はいずれも 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスを基にheboDJ.netが作成]
おおよそ同じ場所を撮影している写真を1975年時点のものと2010年時点のものと2つ用意しました。このように、同じ計画機関が撮影した写真でも2枚が完全に重なるように撮影されているわけではないので、見比べたいときは目的の場所を切り出す必要があります。
同じ範囲を切り出す方法
それぞれの写真から同じ範囲を切り出すとき、四角形で切り出しを行うので対角線上のまったく同じ2点を始点・終点として矩形選択で切り出せば理屈の上では同じ範囲を切り出せます。
実際は撮影するレンズのゆがみや、撮影した航空機の傾きなどの影響も多少あるはずなので厳密にまったく同じように重なる2枚の写真にはなりませんが、趣味として見るにはこの方法でも十分な内容になります。
つまり、新旧それぞれの写真で”まったく同じ場所”として判読可能な2点が分かればほぼ同じ範囲の切り出しが可能になるというわけです。

上の図が実際に始点と終点を設定して間の範囲を矩形選択している様子です。例として踏切と道路の交差点を使用しています。
この方法は市街地であればまあまあ機能しますが、目標物として使えるもののない山奥の写真などには適用できません。
始点と終点として使える場所
交差点
実際に切り出しを行うときに始点と終点として利用しやすいのは道路交差点です。道路交差点も決して不変のものではないのですが、昔からある道路はそんなに簡単に線形が変わることはないので、古い道路同士の交差点であればかなり信頼できると思います。同様の理由で踏切がある場合はそちらも使えます。
神社・仏閣
神社やお寺の敷地もそんなに簡単には変動しないので、ちょうどよく立地していれば使える場合があります。敷地の角を使うのがコツです。
役所や学校などの公共機関
公共機関の建物もそんなに簡単に移転はしないので、同様に利用できます。建物の形が特徴的な場合、建物自体を始点や終点に使える場合があります。
実際の切り出し例
今回は須坂駅周辺を見たかったので、始点(左下)を国道403号の八幡町交差点、終点(右上)を国道403号と八木沢川の交点に設定しました。



こうしてみると駅の西側は40年くらいの間にかなり家が増えたことがよくわかります。新しい方は2010年なので、左下に延びていく屋代線はまだ営業中のはずです。ただ、建物が少ないので1975年の方が線路の判読はしやすいです。
建物の形はどれも変化がありますが、変わっていないものもあります。須坂駅の右上にあるコの字型の大きい建物は”須坂ハイランド”という名前の巨大な集合住宅です。長野県初の公営集合住宅だそうで、竣工は1974年です。
さすがにGoogleストリートビューのような臨場感はありませんが、垂直撮影の空中写真でもある程度想像で過去の様子を補うことができてなかなか興味深いです。道路の旧道区間の線形を調べる時などもこの方法が使えます。







